スズメ百まで踊り忘れず ー或いは、職業という病-

こんにちは。あるペンです。

 あるペンは、夕食を食べる時、なんとなく寂しくてテレビをつけっぱなしにしてしまうのですが、皆さんはどうですか? あんまりお行儀がよくないなとは思いつつ、ながら食べしてしまいます。

 で、偶然、テレビで『裏山が古墳かどうかを確かめてほしい』という視聴者の依頼に応え、発掘調査の前段階(地中探査機を地面に当てるため、下草を伐採するとか)をしていたんですね。

 これは自慢なんですが(笑)、あるペン、古墳の発掘調査の経験があります。学生時代、歴史系の学科にいたのです。そして、女子大の出来立てほやほやの歴史学科。学術調査ひとつとっても、人手が足りなかったのです。

 そこで、面白がりの好奇心のカタマリ・ふたご座のあるペンは”調査”と名の付くモノには何にでも首を突っ込んでいました。”仏像調査”、”古文書調査”、”寺院調査”、そして”古墳発掘調査”。

 毎年、夏休みの二か月間、宮崎まで発掘調査に行っていたのです。あるペンが参加したのは8月だけでしたが。がっそがっそと大きなスコップで土を堀り、一輪荷車に土を載せて、廃土し、埴輪の欠片が出てきそうな断面まで掘ると、小さなスコップと昨日食べたアイスの棒とハケで、土を掃っていくわけです。

 南国の太陽は強烈で、あるペンの茶髪はオレンジ色に変色し、頬には未だにシミが残っています。宮崎の星空は綺麗だったなぁ・・・・・・。

 話を戻しましょう。そんな経験から、ある程度の目が利くんですね。テレビの中で、石が積んである穴があったと騒げば、「あー。石組み・・・・・・人工物なんは、間違いないね」。または、竪穴から数メートルで横穴に変わったと言えば、「て、事は古墳じゃないね。石棺入れられへんもん」。気づけば、お箸は止まり、テレビの方に前のめりになっていました。

 あるペンは、学生時代、考古学を専門にしていないのです。『生きてる人の匂いがしないから、嫌』と言って、学科長先生(考古学分野では、すっごく偉い人)に顰め面されたノダ。

 大阪に帰ってきてから、埴輪の欠片洗ったり、組み上げたりもしていたのですが、結局考古学領域には進まなかった。にもかかわらず、あるペンは晩御飯を放り出して、テレビの向こうにほうほうと講釈を垂れていた。

 結果、古墳ではなく、昔の貯蔵庫でしょうという事で、無事晩御飯に戻ったのですが、『あー・・・・・・あんなに嫌がってたのに、あるペン、ちゃんと歴史学科の子だったんだ』と思いまして。

 ある意味、”職業病”ってやつですね。一度覚えた事は、なんとなく身についているようです。それがなんだか可笑しくって。学科の旧友たちに片っ端から電話して、同意してもらおうとしたら、考古学領域の友人が、一言。『最初にトレンチ(試し堀りのための溝みたいなものです)掘ってない時点で、古墳ちゃうなと思った』。

 上には上が居た(笑)

 ”スズメ百まで踊り忘れず”(一度身についた特技はなかなか忘れるものではないという意)とは、よく言ったものです。そうか、あるペンは踊れるのか・・・・・・。

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